2024-01-29

2023を振返り2024を歩む

斎藤健一郎さんは、2021年7月に「ほくほく」が住める状態になると、自分と家族だけの住まいにするという発想がなく、家開きを始めました。

家開きを宣言する健一郎さん

2022年はより多くの方に「ほくほく」を知ってもらうため、優れた建築家やビルダーが自慢のエコ建築を競う、2022年エコハウス大賞にエントリーし、見事NEXT創エネの家賞を受賞しました。この影響は大きく、有識者や建築のプロによる見学・体験が加速しました。

 

2023年を振り返ると、

・地元との関わりを増やす
・若い世代と交流
・ずらして広げるを活動

この3つについてのトライアルだったと言えます。
2年塩漬けになっていたこのWEBを立ち上げたことも転機でした。

 

地元との関わりを増やす

2022年までのイベントは、主に知人への呼びかけとSNSで告知でした。都市部の方の参加率が高く、ほくほくの地元との関係が薄いことに違和感がありました。

そこで、山梨県と長野にお住まいがある方対象のセミナーや、小学生対象の夏休みエコワークショップを行いました。また地元新聞の山梨日日新聞の記者さんに積極的に情報提供することで、地元への認知度を上げる取組みも継続しています。

山梨県の地球温暖化対策防止活動推進センターの事務局をしているキープ協会さんとのご縁ができ、年末に温暖化防止活動推進メンバーの方たちを連れてほくほく見学勉強会に来てくれました。

ほくほくのことを学んでいただく機会ではありましたが、皆さん温暖化防止活動を実践されている方なので、私の方が勉強になりました。2024年は温暖化防止活動推進メンバーの方たちとコラボイベントを企画していきます。

地元への働きかけとは言うものの、ほくほくのイベントに参加してくれる地元の方は移住者比率がかなり高めです。しかし移住者だって、その地を愛して、その地に住めば立派な地元の人だと思います。これから移住を考えている人に対しても、ほくほくから具体的な情報提供ができるようにしたいと考えています。

若い世代との交流

年齢を重ねるうちに、自分の中で“普通”が固まってしまい、ほくほくを普通と考えるのが難しくなるのではないか。それならば、若い世代にほくほくを体験してもらい、節電から再エネについて学んでもらえば、彼ら彼女らの“普通”にほくほく流が加わるかもしれないと考えました。

そこで、甲府工業高校の建築学科の学生さん対象の体感勉強会、そしてもっと若者の小学生を対象に夏休みこどもワークショップを開催しました。私たちからの働きかけではなく、朝日新聞地球会議から声をかけていただいたのは、大きな節目にもなりました。

甲府工業高校建築学科

建築学科の学生にアプローチしようと考えたのは、ほくほく基準の住まいを普及させるためには、建築を学ぶ学生に、ほくほく以上の性能の家を設計、建築して欲しいと考えたからです。

建築学科の先生に相談すると、飛び込みにも関らず、とても協力的でした。先生自ら学生と共にほくほくのイベントに参加してくれました。

https://ecohoku.com/309/

このご縁は継続し、梶原建築の梶原高一さんが建築中だった新築の建築現場での見学勉強会の実施、今度は梶原さんがキャリアップセミナーの講師として甲府工業高校に招かれました。梶原さんは1年以上先まで仕事がびっしりです。梶原さんと一緒に働きたい、梶原さんのような仕事をしたいという学生から出てくることを大いに期待しています。

 

夏休みの小学生対象のワークショップは、参加した小学生が思惑通りの反応を示すこともある一方、実験方法の改善点を指摘されドキッとすることがありました。私自身、この実験のやり方はこれが“普通”と固まった考えになっていたと反省しました。

8/5,6 節電・創エネ 子どもワークショップの報告

 

思ったほど参加者が集まらなかったのは残念ですが、内容については手ごたえがありました。2024年も継続して開催したいと思います。

 

朝日地球会議

朝日新聞主催の国際シンポジウム「朝日地球会議」。大きなシンポジウムの看板セッションの一つにしたいと、ほくほくに白羽の矢が立ちました。

「環境問題なんとかしたい」と考える大学生たちが、ほくほくを体感し、国が掲げる2050年のカーボンニュートラルをどう実現するのか。自分は何ができ、どう共感を広げればいいのか。「みんなでつくる脱炭素社会」への道筋を発表しました。

https://www.asahi.com/eco/awf/movie/100908.html

ずらして広げる取組み

ほくほくのエコハウス、ゼロエネルギーに高い関心がある人だけを対象にしていると、広がりも局所的です。遊びや運動、食べる、飲むなど他の事にもっと高い関心を持っている人の中にもほくほくのエコハウス、ゼロエネルギーに関心がある人もいます。

 

「彼女たちの山」(山と渓谷社)の出版記念として、著者で登山家の柏澄子さんと、南アルプス光岳の光岳小屋の管理人・小宮山花さんを招いたトークライブをほくほくで開催しました。

https://ecohoku.com/467/

 

参加者の方の中には、エコハウスに興味を持ったので改めて友人と訪問したい、自宅に太陽光発電を設置検討したいといった方もいらっしゃいました。

 

もう一つは「『ハルマキ100本ノック』出版記念トークイベント」です。斎藤健一郎さんの行きつけの店、東京・銀座の「ワインセラーローゼンタール」の島田由美子さんの出版をきっかけに、ハルマキを作って、ワインを楽しむイベントを行いました。こちらも、参加者の方でエコハウスに興味を持って下さった方がいました。

 

https://ecohoku.com/915/

https://ecohoku.com/936/

 

ずらして広げる取組みというのは、狙ってやっているかというと、そうでもありません。エコハウスを広めるために、ねじり鉢巻きをして、エコハウスじゃなきゃダメだと声高に叫べば叫ぶほど、近寄りがたくなるのではないでしょうか。斎藤健一郎さんの信条に“楽しくやる”ということがあり、自然とこの方向に流れているイメージです。

 

緩すぎて、歯がゆくなることもありますが、“楽しくやる”ということは、ほくほくの活動に特色をもたらし、注目され続けている理由だと思います。

 

 

2024年をどう歩むか

2023年に取組んだこと、地元との関わりを増やす、若い世代と交流する、ずらして広げるという方針に変更はありません。

内容というよりは、進め方という方が適切かもしれません。新たに取り組むことは

1.定期的にほくほくを開く
2.手弁当からの脱却
3.エコハウス化したい人に解決方法を提示できるようにする

この3つです。

 

定期的にほくほくを開く

イベントの定期開催を始める理由は、私たちの都合で1ヵ月を切って告知されるイベントは参加しにくく、見学体験したいという人の渋滞解消のめどが立っていません。最低でも2ヵ月先の予定を出し続けることで、渋滞緩和に役立てたいと思います。

 

手弁当からの脱却

ほくほくの活動運営費、ほくほくを使うこと・バージョンアップすることはほぼ持ち出しです。ほくほくの活動を継続化すること、もしくはほくほくの活動を参考にする人たちが出てくるためには、儲からなくても、持ち出しがないようにする必要性を感じています。

 

エコハウス化したい人に解決方法を提示できるようにする

ほくほくを体験して、自分の家を同じようにしたいと考えている人たちに、具体的な提案が出来ていませんでした。ほくほくの性能を理解してリノベ、新築、設備導入が出来る業者を紹介できるようにしていきたいと考えています。

 

ほくほくの活動は、オープンです。同じような取組みをしたい人には、情報を開示しています。しかしこれまでのほくほくは、シンクロナイズドスイミングのように笑顔で演技を見せながら結構、水面下で足をばたつかせていました。これでは情報を開示したところで、参考にしてもらうことはできません。

これからは、地に足をつけ自然体で楽しめるようにしていきたいと思います。

引き続き応援お願いします。

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