2023-05-26

【報告】2023/5/20 柏澄子×小宮山花「彼女たちの山」出版記念 トークライブ

斎藤健一郎 柏澄子 小宮山花

5月20日、「彼女たちの山」(山と渓谷社)の出版記念として、著者の柏澄子さんと、南アルプス光岳の光岳小屋の管理人・小宮山花さんを招いたトークライブをほくほくで開催しました。

柏澄子さん著「彼女たちの山」

山梨はもちろん、京都や愛知、長野、静岡、東京、神奈川などから、20人超の方が参加してくれました。オンライン配信もしたので、九州の方も見てくださいました。それぞれがトークライブの主役になれる個性や実績豊かな人をリスナーに回したのはもったいないと思いながら、皆さんの自己紹介を聞きました。

なぜいま「山と女性」をテーマにした本を書いたのか、すてきな装丁はどこの場所がモデルなのか、山小屋で働くことの喜びや苦労はどこにあるのか。すばらしい本の中身をひもときながら、柏さんがなにを考えてこれまで山にたずさわってきたのか、花さんがどんな気持ちで山小屋の仕事に打ち込んでいるのか、お二人とも率直に、丁寧に語ってくれました。

「彼女たちの山」のカバーを広げて由来を説明する柏澄子さん
「彼女たちの山」のカバーを広げて由来を説明する柏澄子さん

この本の編集者、大武美緒子さんが来てくれたのはうれしかった。どういう思いで柏さんと本をつくったのか、普段は裏方の編集者の思いをうかがうことができました。新聞で書評を書いた長澤美津子さんも来てくれて、「彼女たちの山」をなぜ書評にとりあげたのか、めったに聞けない新聞書評の話をしてくれました。

僕は不慣れな司会をしながら、柏さんと花さんのお顔をすぐ横に、話を聞けるぜいたくを味わい、参加者それぞれが熱心に耳を傾ける様子をみて、「緊張するな」「でも幸せな時間だな、うれしいな」とずっと考えていました。

花さんはイベントの後、「私、ぜんぜん的を射た話ができませんでした」と嘆いていたけれど、そんなこと全然ありません。飾らず、正直で、屈託なく真っすぐの、花さんの素の良さ、笑顔がたくさん出ていた。あー、これだからファンがたくさんできるんだよな、と改めて感じました。実際会場にも「花さんに憧れてきました」という女性がいらしていましたね。

トークライブ前、南アルプスをバックに打ち合わせしている様子を公開。この時は少し緊張気味でした
南アルプスをバックに打ち合わせしている様子を公開。この時は少し緊張気味でした

「山で出会った人に恵まれていた。だから山に関わってきた」という柏さんの言葉は印象的でした。山に向かい、山に登るのだけれど、結局は、山にいる人に会いに行くんだなと。

労を惜しまず、人付き合いを惜しまず、自分の足で人に会いに行き、あたたかな関係を築いて取材し、書いてきた柏さんはすごい。取材者としては、なかなかまねできない高い頂きを見ました。僕も登れるかな。難しいな。

エコハウスを紹介するイベントをのぞいては、今回、ほくほくとして初めてのトークライブでした。企画してくれた川合英二郎さん、改めてありがとうございました。

イベント終了後の記念撮影
イベント終了後の記念撮影。参加者のみなさま、ありがとうございました

ここにいると、東京にいてもめったに会えないおもしろい人と会えるから不思議です。これに味を占めて、またたのしく豊かな時間を共有する機会をつくっていきたいと思います。

気持ちは熱く、室温はちょっと暑く、気持ちはほくほくの楽しいライブ。参加してくれたみなさま、どうもありがとうございました。(斎藤健一郎)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA