2024-03-21

【報告】小学5年生がエコハウスで初授業 探究の時間、子どもたちの感想は?

家開きをしたエコハウス「ほくほく」には、光熱費0円の暮らしに興味がある人、エコリノベーションを考えている人、山好きな人、たんにわいわい楽しみたい人など、赤ちゃんから高齢者までいろいろな人たちが様々な目的でやってきます。

今回は小学生がいっぺんに50人近くやって来ることになりました。ほくほく初のことで、しかも文部科学省の学習指導要領に定められた「総合的な学習の時間」での来訪ですから、迎え入れる僕たちも、緊張気味です。しっかりやらなければ。いつもは「いい加減」が良い加減なのだけど、しまっていこーぜー、と。

2月21日朝、スクールバスに乗って、地元の小淵沢小学校5年生が1クラスずつ、約20人づつに分かれてやってきました。みんな、わいわい楽しそうだけど、一見すると普通のちいさな家に、なぜ連れてこられたんだろう、と内心では思っているはずです。

子どものころ、ぼくは社会科見学が大好きでした。教室にずっと押し込められているのが苦手ということもありましたが、友だちとバスに乗って、学校の外に出られる開放感が好きでした。それだけではなく、普段は入れない会社や工場に踏み行って、そこでしか聞けない話を聞けるのですから、もうぞくぞくするほど楽しい。その時の気持ちが大きくなっても続いて仕事になり、いまでもあっちこっちに行って、人の話を聞いて、感想文書いてと、社会科見学を続けているのですから、子どもの時の体験はとっても貴重だななと思うのです。

小さい頃の僕のように、5年生のみんなにほくほくでわくわくを味わってもらうにどうするか。

総合的な学習の時間の一つの大きなテーマは「探究」です。探究を支えるのは好奇心です。好奇心を刺激するには楽しくないとね。

家の中でどんな家電が一番、エネルギーを使うのか。日本のエネルギー自給率はどのくらいなのか。なぜほくほくは再エネ100%で暮らせるのか。なぜ冬でもあたたかいのか。

こちらが一方的に話すのではなく、子どもたちに問いを投げ、ほくほくを体感し、体と頭を動かして考え、ほくほくの秘密を解き明かしてもらうように内容を吟味します。

川合英二郎さんと一緒に前夜遅くまであーでもない、こーでもないと中身を精査し、紙芝居をつくったり、リハーサルを繰り返したり。真剣です。

授業前夜、居残りの生徒のように、川合英二郎さんが紙芝居づくりをする=2月20日午後10時53分

交感神経過多で、少し寝不足、かつ興奮気味に迎えた当日。その結果は・・・

小淵沢小の子どもたちは、しっかり、反応良く、こちらの投げかけに応えてほくほくを駆け回りました。

電子レンジやスマホ充電、ドライヤー…… どれが一番電気を使うと思う?

子どもたちが実際に家電をオンオフして、消費電力が表示されるパネルを見ます。ドライヤーが熱風を吹きだし、パネル表示が「1.3kW」を示すと、ワー、キャーと声があがりました。

再エネ100%で暮らせるためのほくほくの「装置」四つはなんだろう?探してみてね。はい、スタート!

制限時間5分の間、子どもたちはわいわい言いながら、家の外も中も駆け回ります。発表して、正解!と返すと、得意そうな表情になるのがとってもいい。正答率が高くて、ぼくがびっくりしました。

「日本のエネルギー自給率はどのくらいだと思う? 100%と思う人、70%の人、50%」。そんな英二郎さんの問いかけには、悩みながらも勢いよく手を挙げていく。

「答えはーーーー11.8%」と発表したとたん、子どもたちからは「えーーーー、低っ」。

「テストで言ったら12点だよね。みんなどう?」と英二郎さんが追い打ちをかけます。「あー、だめだー」「低すぎる」と子どもたちは本気で嘆いています。

感想文を紹介しましょう。

「外から見たらふつうの家だけど だんねつきみつをしているすごい家だということがわかりました」
「木のいいにおいするし、いろんなことが知れたりしてすごい いつもより楽しかった」
「これからせつやくしようとおもいました」

子どもたちは反応が素直でダイレクトです。好奇心が新鮮で、生き生きしています。どんどん手を挙げ、どんどん発言します。発言はせず、おとなしそうにしていた子も、帰り際に話しかけると「ありがとうございました」とはにかんだりして。

「ほくほく、買いたいな」と言いながら帰った男の子もいて、おもしろかったな。まだしばらく売りには出しません。

ほくほくにはいろいろな人たちが、いろいろな目的でやってきます。こんな好奇心いっぱいのお客さんが来ると、家開きをして良かったなあと心の奥深くのほうから思います。

既成概念にとらわれず、試行錯誤をして、探究や挑戦をする大人たちがほくほくをつくりました。好奇心いっぱいの子どもと同じような人たちです。だから、好奇心の塊のような子どもたちと「探究」する授業との相性は、とてもいいことがわかりました。

機会をつくっていただいた小淵沢小学校の先生、どうもありがとうございました。引率の佐藤丈先生は「机上のエコではなく、実際のエコを体験したことが、彼らの人生のどこかで影響すると思うとワクワクします」と感想を寄せてくれました。僕たちも心躍り、楽しみました。

学校関係者のみなさま、どうぞお声がけください。(斎藤健一郎)

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