6畳用のエアコンで40畳ある「ほくほく」
40畳ある「ほくほく」ですが、6畳用のエアコンで涼しく過ごすことができます。その理由は4つあります。
- 断熱性能が高い
- 日差しの侵入を止める窓が使われている
- 漏気が少ない
- 熱交換換気が使われている
※1.~4.についての詳細は別途説明をします。
ポイントをまとめると、断熱がしっかりしているので、屋外の熱や熱い日差しが室内に入りにくい。気密性能も高いので、隙間からの熱気も防いでいる。換気の時も屋外の暑い空気の熱をそのまま部屋に持込まない仕組みができている。そんな理由で、6畳用エアコンでも快適に過ごすことができるのです。
そもそも、エアコンを選ぶ際に参考になる「畳数表示」とはどんな家を基準としているのでしょう? それは、断熱性能が著しく低い、もしくは断熱をそもそもしていない「一般住宅」です。日本の大多数を占める断熱性能の低い家を想定しておかなければ、メーカーに冷暖房が効かないというクレームの嵐になってしまうからです。
ほくほくは築40年の家を徹底的にリノベーションし、日本でもトップレベルの断熱気密性能を持っ家に生まれ変わらせたから、40畳ある室内でも、6畳用エアコンを使っているのです。
しかし、そんな「ほくほく」でもエアコン冷房が効かないケースがあります。
1.人が沢山室内にいる時
これは人から出る熱の影響です。人は静かに座っている状態で約100Wの熱を出しています。ほくほくで5人がくつろいでいるときには、100W/人×5人=500Wくらいですが、軽く動いたりすると約120~150Wの熱が出ます。例えば、20人の前で3人がお話している状況だと100W/人×20人+120W/人×3人 で合計2,360Wの熱が出ていることになります。
人がたくさん来ている時と、5人がゆったりくつろいでいる時との差は、2,360W-500W=1,860Wも多くの熱が発生している計算です。
電気ストーブの強運転(1200W)を1台と弱運転(600W)をつけているとイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
※子どもはさらに発熱量が多いです。
2.室温が上がり過ぎてしまっている時
しばらく誰もほくほくを使っていない夏場はいくら断熱性能が良くても、室温が35℃になるということはあり得ます。一旦ここまで暑くなってくると、壁や天井、床と部屋全体が熱を持った状態なので、そこから快適な26℃の室温まで落とすのはなかなか難しくなります。
ではどうするか?
それを見越して、冷房能力の高い大きなエアコンをつければいいかというと悩ましい問題があります。冷房能力の大きい機種は、弱運転でトロトロ運転していると燃費(電気消費量)が多くなってしまうのです。能力的に大は小を兼ねることができるのですが、電気を余計に使うことになります。
新築やリノベーションをして断熱・気密性能は高くなったのに、エアコンを単純に部屋の畳数を参考に選んでしまうと、必要以上に大きくて、値段も高い機種をつけることになります。残念ながら、家電屋の営業の人は、家の断熱性能の影響が分からない傾向があるので、断熱・気密の良し悪しがわかる人に相談してから、エアコンの機種を決めましょう。
ほくほくに大人数がやってきてときに室温が上がることは、運用をしてみて分かったことですが、これに対応する2つの方法があります。
一つ目は普段使いの時に燃費(電力消費量)が増えてしまうので大きなエアコンに替えるのではなく、たくさん人が来る時のために6畳用のエアコンをもう1台取り付ける。
二つ目は人数がたくさんあつまる場合や、外気温が高くなることがあらかじめわかっている時には、室温が上がりきる前に、冷房をいれておくという方法です。
もちろん「ほくほく」の選択は”足るを知る”の精神で後者です。(川合英二郎)
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