2026-04-17
【寄稿】忘却される朝日の知性を土に還す 赤羽俊一

新聞は読み終えたら捨てるもの? ほくほく代表の斎藤健一郎との出会いをきっかけに、
忘れられていく「知性」を畑に還す試みがはじまった。赤羽俊一さんの寄稿 。
2018年、埼玉県主催のセミナーで、朝日新聞の斎藤健一郎記者と知り合った。
長年愛読している新聞の敏腕記者にしては、朴訥とした語り口で、
自宅の断熱の重要性を静かに語られていた。
折しも家を建て直す時期だった私は、その話に深く耳を傾けた。
メガバンクに勤務するかたわら、畑を始めて15年。
2024年に隠居した。新聞には目を通すものの、
現役時代のように精読することは少なくなった。
そんな折、2025年春、斎藤さんに誘われ
忘れ物をこよなく愛する会「forgetters meeting」に参加し、
忘れ去られるものの価値について考えさせられた。
帰宅後、古紙として束ねた新聞にふと目が留まった。
1か月ほど保管するが、知性の結晶が一晩で古紙になるのは惜しい。
埼玉県地球温暖化防止推進員の端くれとして、
暮らしの中で何かに生かせないかと思案し始めた。
試行錯誤の末、新聞紙を畑のマルチとして利用することを思いついた。
初めは風に飛ばされたが、10枚ほど重ねて草や土をかぶせると安定した。

畑のマルチになった朝日新聞
やがて土になじみ、雑草を抑え、地温を保つ効果も現れた。
さらに作物の残渣と米ぬかを覆うと、
1か月ほどで柔らかな、やっこい肥料へと還った。
こうして、忘れられるはずの知性は再び大地に息づくこととなった。
私は今、野菜とともに新聞紙を畑で育てている。
Newspapers return to the earth.

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