おいしく健康的な新年会2025
新年会が決まるまで
『1/18(土)の夜に、新年会をやって、
翌朝、走るっていうプランどうかな?』
11月末に、斎藤健一郎さんにLINEメッセージを送ると、ほどなくして、「どうぞ」と返事がありました。
昨年4月に管理職になった健一郎さん。その「どうぞ」から、“ほくほく”で元気を充電したいという想いが滲み出ていました。
健一郎さんを筆頭に、来る人みんなに元気を充電してもらうための新年会企画。やる前から楽しくなっていました。
新年会の会場は、知る人ぞ知るジビエ料理屋“さの屋”に決め早々と予約。
走る方はどんな周回コースにしようかと考えていたところ、建築家の木戸扶紀子さんから、大泉にある古い別荘を見て意見が欲しいという相談がありました。
地図を見ると600mほど登る。
これはいい運動になると思い、扶紀子さんに「みんなで走って見に行くはどう?」と伝えると、「汗をかくからパノラマの湯ゴールにしたらいいんじゃない」と言うので、それにのっかることにしました。
新年会の前に温泉へ
新年会当日は、ほくほくに集合し、たかねの湯(温泉)に行ってから、新年会の会場さの屋に向かいます。
翌日も走るので、たかねの湯まで走らなくてもいいのですが、ご飯を美味しく食べるには、空腹が一番です。
片道4.7㎞、標高差160m。ゴール時間を予測し、先頭は“歩く”チーム、続いて“走る”チーム、そして最後に“車”チームに分かれ、出発時間をずらして向かいました。

たかねの湯まで歩く2人
先行するチームは、後ろからやってくるチームが来ないか時々振り返ります。
追いかけるチームは、先行するチームがどこにいるのか、ちょっと先に目をやります。
さっきまで一緒にいて、たった10分、20分別行動をするだけで、別れた仲間を見つけるとわくわくします。
手段も、かかる時間も違うけれど、だいたい同じようにゴールに着くのが楽しかったです。

途中振り返ると富士山がちょっと見えた
さあ、新年会だ
温泉に入ってさっぱり。さあ、新年会です。
裸足の研究者金子潤さん、よく笑う金子美穂さん、4年生とは思えない日本史博士の金子岳君が遅れて到着し、(2回目の)乾杯をしたら、食べながらの自己紹介です。お互いに知合っている人も、この日初めて出会う方もいます。
既知の仲間が聞いてる中での、自己紹介は難易度が高い!言いたいこと、聞きたいことのずれがあったり、紹介の順番で場の空気が変わったり、勝手に会話が始まったりと色々ありますが、とてもいい自己紹介でした。
さて、会場のジビエ料理屋のさの屋。地元の人に紹介してもらって以来、10回以上来ています。
今回、さの屋に初めて来たのは、健一郎さんの同僚で、昨年野辺山ウルトラマラソンに挑戦した香取 啓介さんとMachiさん親子です。予想通りに、異次元のジビエ料理を楽しんでくれました。
料理だけでなく、お酒もすごいのです。以前、健一郎さんの同僚の記者さんで、食文化担当の長沢美津子さんと来た時に、「料理もすごいけど、いいワインが酒屋で売っているような値段(原価)で出ている!」と小さな声で、目を大きくして話す姿が鮮明に思い出されます。
今回のアラカルトメニューは、猪の生ハム、鹿のサラミ、鹿のたたき蕪添え、鹿のチョリソー、マスのカルパッチョ、アカヤマドリダケのオムレツ、ペンネ、猪のつくねwith生ピーマン、猪のしゃぶしゃぶ、シメのぞうすいとうどん。これにツキノワグマの脂身しゃぶしゃぶを追加しました。

さの屋の特徴は、食材の自前調達率が異常に高いこと。店主が自分でジビエを取りに行って捌く。魚は自分で釣ってきたり、もらってきたり。キノコ類も自分で取りに行っている。
月の輪熊の脂身のしゃぶしゃぶ。最後の一枚まで取り合うようにして美味しくいただきました。金子家の3人は清里へ、Machiさん親子は一次会でお別れ、ほくほく泊りのメンバーは帰ると2次会です。
何を話していたか忘れてしまいましたが、とにかく楽しかったこと、
それから野辺山ウルトラマラソンにエントリーしている健一郎さん、香取さんと私の3人で、木戸さんもエントリーしようと勧誘していたことは覚えています。

青いシャツが木戸さん。木戸さんは翌日も勧誘を受け続け、2025野辺山ウルトラマラソンにエントリーしました。室温26℃
日付を回り1:00になるかという時、翌朝走ると分かっていることが安全装置となり、もう限界と全員床につきました。
当初、消灯予定は23時30分でしたが、夜のお楽しみTIMEをそこまで削ることはできませんでした。
2日目 走れるか!?
翌朝7時。みんな起きるのか心配でしたが、昨晩のお酒が残りつつも、のそのそ動き始めました。心配だったのは、家主の健一郎さん。人がたくさん泊まる時は、いつもほくほくをぼくらに譲り、豆炭あんかを小脇にかかえ、一人軽のキャンピングカーで寝るのです。
しかも寝るのが大好きで、起きてこれるのか不安でした。
7時15分頃「おはよう。いいなあ、ほくほくは暖かくて」と健一郎さんがやってきました。ひとまず安心です。
2日目はパノラマの湯まで13kmのジョギングです。マラソンをランナーにとって、13kmは長くはない方ですが、標高差600mあります。
標高差100mは平地1kmの走るのに相当するので、19km走るのと同じことになるので、まあまあなボリュームです。

ほくほく前から出走。大会でもないのに、ちょっと緊張しました。
この日も、みんな10時ごろパノラマの湯に到着を見込んで出発したのですが、健一郎さん、木戸さんチームと、マラソン初心者のphotographer篠田英美さんとゴールを目指す組(香取さんと僕)に分かれました。
篠田さんは、5㎞だけ走って、残りは車チームに回収してもらう予定でしたが、一緒に走ろうという雰囲気に包まれ、全部走ることになりました。
雰囲気を作ったのは、香取さんです。「みんなで走る方が楽しいよね。置いていくのも置いて行かれるのもあんまり好きじゃない」と、僕の心を見透かすように言いました。
僕は、スマホをほくほくに置き忘れて取りに帰り、そこから頑張って先に行った健一郎さん木戸さんを追いかけるつもりでした。でも、香取さんの言葉を聞いて、当たり前のような顔をして篠田さんと走るチームに入りました。
香取さんは仕事で、環境政策などを担当しているのですが、こういうところでも「誰も置き去りにしない」というSDGsの基本理念を地でやっている感じが素敵です。

手前が篠田さん。遠くに見えるのが香取さん。ついていく人にプレッシャーを与えない絶妙な距離。対してぼくは近すぎ。
木戸さんも先を走っては健一郎さんを待ってくれていたそうです。この日も、佐藤博士さんと菊地光彦さんは車でサポートしてくれました。またMachiさん親子も車で来てくれました。
温泉に入るためのタオルや着替えを持ってきてくれるのはとてもありがたいし、万一ケガなどで走れなくなった時に、すぐに助けてもらえるのは本当に助かります。

サポートカーから撮影される健一郎さん

健一郎さんが撮影したサポートカー

パノラマの湯の前でパチリ
別荘を見に行く
ラストイベントは別荘訪問です。
別荘までは、荒れた未舗装の道路を入っていかなければなりません。菊地さんのJEEPは深い轍も段差もなんなく乗り越えていきます。
しかし佐藤博士さんの軽バン、乗用車のMachiさん号はガリッ、ギギッと車の底がひっかかります。10分ほど、四苦八苦しながら行くと、目的の別荘が見えてきました。

小さくて楽しそうな別荘でしたが、けっこう傷みがあった。
小さくて、素敵な別荘ですが、傷みは激しく、ほくほくのような性能にするにはかなり大変そうです。
山梨県は、空き家比率全国一位。その理由のひとつが、こういった使われていない別荘です。この日は見せてもらっただけで、どうするといった話にはなりませんでした。
「(この別荘までは)容易な道ではないのですよね」と、木戸さんは言っていました。
・木戸さんの別荘をほくほく化する
・空き家比率を下げていく
・ほくほくのような住まいの性能を当たり前にする
これは全て、簡単に実現しそうにありません。木戸さんが言った、「容易な道のりではないのですよね。」が、妙に総括にぴったりな表現でした。
こうして、“美味しく、健康的な新年会”は無事終了。
と、したかったのですが、博士さんが財布やら一式入ったポーチを、パノラマの湯の足湯のところに忘れて来てしまったようです。パノラマの湯に戻ると、ちゃんと忘れ物として届けられていて、無事回収することができました。

ポーチも回収し、Machiさんのお嬢さんをおんぶして、幸せそうな佐藤博士さん。めでたしめでたし
そのままパノラマの湯の食堂で昼食をとり、今度こそ無事終了です。みんな、元気を充電できたようで良かった。
さて健一郎さんには、今年は何会「どうぞ」をもらえるでしょうか。
(川合英二郎)
おまけ

合宿感たっぷりのほくほく。
道中、田んぼの野焼きをしていた。

パノラマの湯まで走る途中で、携帯を忘れて取りに帰るぼく(佐藤さん撮影)
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